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無観客試合が妥当

浦和レッズの弾幕事件は、Jリーグから無観客試合を実施せよという処分に決まった。 現時点で、私はこれを支持したいと思っている。 選手たちが責任を負わずに済んだことに安堵している。

もちろん、勝点を剥奪すべきだという意見もあるだろうし、これではまだ甘い、無観客+勝点剥奪が妥当だと思う人もいるはずだ。

今回の処分は、今回の一事件だけに下された処分ではなく、レッズサポが繰り返してきた「 過去 」を含んだもの、それだけにとどまらず、他チームのサポーターが犯してきた事件をもひっくるめて、過去Jリーグ側が下してきた処分が十分で適正だったのかを反省した結果、Jリーグ本体から発せられた重いメッセージだと認識すべきだろう。

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まず今回、レッズの選手、監督たちスタッフになんの責任があるだろうか? 

一選手である槙野の発したメッセージで弾幕掲示がニュースとなり多くの人が知ることになった。自分たちを熱く応援してくれているはずのサポーターが掲げた弾幕を見てショックを受けた選手たちはむしろ被害者だろう。その被害者たちから、さらに勝点剥奪することが正しいことだとは到底思えないのだ。

無観客試合なら、リーグ戦の成績には直接の影響は無い。選手はピッチでの戦いに集中させてやるべきだろう。もちろん、無観客試合を戦う選手たちのメンタル面への影響は相当あるだろうが、それは受け入れてもらうしかない。

さらに、対象試合の対戦相手である清水エスパルスのファン、サポーターは、愛するチームのアウェイゲームに駆けつけてゴール裏から選手と一体となって応援することができなくなった。あまりにも気の毒というしかないが、アウェイサポーターだけを受け入れることは難しいだろう。 飛んだとばっちりを受ける彼らは新たに生まれた被害者だ。痛みはレッズ内部だけでは済まなくなったわけだ。

無観客試合で直接損害を被るのは、その日のチケット代、グッズ販売その他諸々の収入がゼロになり、あるいは払い戻しを含めれば多大な損害を受けるレッズというクラブ、会社ということになる。最悪、チームスポンサーが 「 降りたい 」と言い出す可能性だってある。年間収益が減ることで、回りまわって選手たちが、シーズン後に減俸となる可能性もあるのが心苦しいが。

もちろん弾幕を掲げたサポーターが最も悪い。しかし、それを発見して撤去できるタイミングがあってもしなかった、できなかったということは、クラブのあまりにも大きな過ち、差別への意識の低さだと思う。だからサポーターとクラブがペナルティを受けるべきだという意見なのだ。

そして、考えなければいけないのは、このような事件を繰り返さないようにしなければならないということだ。今までもペナルティを受けてきて、繰り返さないようにしますと言いながらも、今回また新たな事件が起きてしまっているのだ。

レッズサポが引き起こしたことだが、もちろん、全チームのファン、サポーターはもし自分の愛するチームに同様のことが起こればどうすべきか、防ぐことができるだろうか、対岸の火事などではなく、自分たちの問題として考えなければならない。時間が経って、喉もとを過ぎても熱さを忘れてはいけないのだ。

自分たちの問題と思ってもらうために、レッズサポだけでなくJリーグ全チームのファン、サポーターに「 思い知ってもらう 」ためには、無観客試合が一番インパクトがあり、記憶に残るペナルティだと思うのだ。 

もちろん、勝点剥奪でも、現在のJリーグのファン、サポーターはこの事件を教訓や反面教師とすることができるだろう。

しかし 今後新規でJリーグを見て好きになってくれる人たちに、こういう差別的な事件があったことをどのように知らしめるべきか。

「 勝点を減らされてチームは優勝どころか、下位でシーズンを終わったんだ 」というよりも、「 その処分として観客を入れずに試合が行われたんだ 」と説明できる方が理解してもらいやすいと思うのだ。

悪い言葉だが、「 見せしめ 」による、「 記憶への刷り込み 」だ。

例えば、勝点剥奪して、それが何ポイントであったとしても、1年も経ってしまえば、「 えーっと、例の弾幕はいつ頃の試合だったっけ? 」ということになる。しかし、無観客試合ならば、「 観衆:ゼロ 」という記録から、「 そうか、この試合の前に、あの事件があったんだ 」ということになる。 一方、勝点剥奪処分には、「 いついつの、この試合で勝点剥奪になった 」という記録は残らないのだ。

さらに、この無観客試合をメディアは大きく扱うはずだ。がらーんとした 無人 のスタジアムの写真をデカデカと載せて、レッズの一部サポーターが掲示した弾幕が、決して許されないことだったのだと、日本中、世界中の知るところになる。サッカー好きだけでなく、サッカーに興味の無い人にも知ってもらえるだろうし、知ってもらうべきだと思うのだ。 勝点剥奪では、写真によるインパクトは期待できない。

レッズの選手たちは、重いものを背中に担がされて、戦い続けなければならなくなった。アウェイゲームでブーイングを浴びるかもしれない。勝点剥奪を受けなかったことで、たとえシーズンを優勝や上位で終えても、「 賞金は返上しろ!」「 ACLは辞退すべきだ 」と糾弾される可能性も否定できない。今回のことを発奮材料にしてがんばってほしいと思うし、今後はサポーターに対して「 差別には断固反対する 」という発信もさらに積極的にしていって欲しいと思う。

今回の事件で、レッズが重い処分を受けたことを誰もが忘れてはいけない。「 差別は決して許されないことだ 」と自らに言い聞かせて、こんな事件を絶対に繰り返さないと誓って、将来に向けて新たな世代に継承していかなければならないと思っている。
(2014.3.13 18:12)

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